Cybersecurity Learning Hub ー 知識から実践へ

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一般社団法人 Cyber Hiroshima

知識を実践に変える — Cyber RangeとSudoRangeで何が学べるか

サイバーセキュリティでは、「知っている」ことと「実際にできる」ことの間に大きな差があります。Cyber Rangeは、安全に操作や攻撃、防御、調査を試すための実践環境です。この記事では、Cyber Rangeの役割と、SudoRangeを活用して知識を実践へつなげる学び方を紹介します。

Cyber Rangeとは何か

Cyber Rangeとは、サイバーセキュリティに関する操作や演習を、安全に実行するために用意された環境です。

通常の業務システムやインターネット上のサービスに対して、自由に攻撃や設定変更を試すことはできません。

しかし、サイバーセキュリティを本当に理解するためには、

  • ネットワークを調べる
  • ログを確認する
  • 設定を変更する
  • 脆弱性を調査する
  • 攻撃がどのように成立するかを見る
  • 防御策を適用する
  • 何が起きたかを分析する

といった経験が重要です。

Cyber Rangeは、そのための失敗してもよい実験環境と考えると分かりやすいでしょう。

読むだけでは分からないことがある

例えばFirewallについて本を読めば、

「通信をルールに基づいて許可・拒否する仕組み」

と説明できます。

しかし実際に、

  • どの通信が通っているのか
  • どのポートが開いているのか
  • ルールを変更すると何が起きるのか
  • ログには何が記録されるのか

を確認すると、理解の質が変わります。

同じことはWebセキュリティ、Linux、フォレンジック、ネットワーク分析などにも当てはまります。

サイバーセキュリティでは、

KnowledgeとPracticeを往復すること

が重要です。

Cyber HiroshimaがCyber Rangeを重視する理由もここにあります。

SudoRangeとは

Cyber Hiroshimaでは、英国SudoCyberが提供するクラウド型Cyber Range SudoRange を実践学習環境として活用します。

仕様書では、SudoRangeは2,000以上のハンズオンラボを提供し、

  • Networking
  • Security
  • Ethical Hacking
  • Forensics
  • OSINT

など幅広い領域をカバーする環境として整理されています。

クラウド型であるため、学習者が個別に大規模なサーバーやネットワーク環境を構築しなくても、実践演習へ入りやすいことが特徴です。

重要なのは、単に「問題を解くサイト」として利用することではありません。

学んだ知識を確認するための実験環境として使うことです。

CyBOKとSudoRangeをつなぐ

Cyber Hiroshimaでは、

CyBOKで学ぶ → SudoRangeで試す

という流れを学習設計の中心に置いています。

例えばCyBOKのNetwork Securityを学習したとします。

そこで、

  • ネットワークプロトコル
  • セキュリティ境界
  • Firewall
  • Network Monitoring
  • 攻撃と防御

などの考え方を理解したら、関連する演習へ進みます。

実際に操作してみると、

「理解していたつもりだったが、パケットを見ると分からない」

「ポートとサービスの関係が曖昧だった」

といった新しい疑問が生まれます。

そこでCyBOKやその他の資料へ戻ります。

この流れを、

Knowledge → Practice → Review → Learn Again

として繰り返します。

仕様書でも、CyBOKのKnowledge AreaとSudoRange演習を対応付け、「知識 → 実践 → 振り返り → 次の学習」につなげる方針を示しています。

Cyber Rangeは「攻撃を学ぶ場所」だけではない

Cyber Rangeというと、ペネトレーションテストやEthical Hackingを連想するかもしれません。

しかし、実践できることは攻撃だけではありません。

例えば、

Blue Team

では、ログや通信を観察し、異常を発見して対応する能力を学べます。

Digital Forensics

では、残されたデータから何が起きたかを調査します。

OSINT

では、公開情報をどのように収集・評価するかを学べます。

ネットワークやOSの基礎演習であれば、サイバーセキュリティを始めたばかりの人にも役立ちます。

Cyber Rangeは「高度なハッキングの練習場所」ではなく、初心者から専門家まで、知識を実際の操作へ変えるための学習環境です。

失敗することにも価値がある

実践演習では、問題をすぐに解けないことがあります。

しかし、学習という観点では、それ自体に価値があります。

重要なのは、

「なぜできなかったのか」

を考えることです。

コマンドを知らなかったのか。

ネットワークの仕組みを理解していなかったのか。

Linuxの権限が分からなかったのか。

Webの認証について知識が不足していたのか。

自分の不足している知識が分かれば、次に何を学べばよいかが見えてきます。

Cyber Rangeは能力を証明するだけでなく、自分の「分からない」を発見する環境でもあります。

知識を「できる」に変える

サイバーセキュリティを学ぶ目的は、用語をたくさん覚えることではありません。

必要な場面で知識を使い、

「何が起きているのか」

「どこを調べるべきか」

「何を確認すべきか」

を考えられることが重要です。

Cyber Hiroshimaでは、

CyBOKで体系を理解する。
SudoRangeで実際に試す。
分からなかったことをもう一度学ぶ。

というLearning Loopを整備していきます。

知識を得たら、次は実際に使ってみる。

それがサイバーセキュリティを「知っている」から「できる」へ変える第一歩です。

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