Cybersecurity Learning Hub ー 知識から実践へ

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一般社団法人 Cyber Hiroshima

AIはサイバーセキュリティ学習をどう変えるか — Cyber Hiroshimaが目指すAI Learning

サイバーセキュリティは非常に広く、「何が分からないのか」「次に何を学ぶべきか」を判断すること自体が難しい分野です。Cyber Hiroshimaでは、AIを答えを代わりに出す道具ではなく、CyBOKや実践演習をつなぎ、学習者の理解を支援する仕組みとして活用することを目指しています。

AIの価値は「答えを出すこと」だけではない

生成AIに質問すると、さまざまな技術について短時間で説明を得られます。

これは学習にとって大きなメリットです。

しかし、サイバーセキュリティ教育でより重要なのは、

「答えを教えること」ではなく「次に何を理解すべきかを支援すること」

だとCyber Hiroshimaでは考えています。

例えば演習中に、

「このエラーは何を意味するのか」

と質問したとします。

AIが正解のコマンドだけを返せば、問題は解決するかもしれません。

しかし、

  • なぜそのエラーが出たのか
  • 背景にはどの技術があるのか
  • CyBOKのどの分野に関係するのか
  • 何を復習すべきか

まで理解できれば、その経験を次の問題にも応用できます。

AIを答えを代行する仕組みではなく、理解を深めるTutorとして使うことが重要です。

サイバーセキュリティ学習には大きなKnowledge Baseが必要

サイバーセキュリティには、

ネットワーク、暗号、ソフトウェア、OS、Web、マルウェア、フォレンジック、リスク、法律、プライバシーなど、多数の分野があります。

これを学習者が一人で整理するのは簡単ではありません。

Cyber Hiroshimaでは、その知識体系の土台としてCyBOKを活用します。

AIに自由に答えさせるだけではなく、

CyBOKなど信頼できる知識体系を参照しながら説明する

ことで、

「この説明は何に基づいているのか」

を確認できる学習環境を目指します。

つまり、

AI × Knowledge Base

という考え方です。

Private LLMの完成を待つ必要はない

Cyber Hiroshimaでは将来的に、サイバーセキュリティに特化したKnowledge BaseやPrivate LLMの構築を検討しています。

ただし、それが完成するまでAIによる学習支援を始められないわけではありません。

既存のLLMと、

  • CyBOK
  • 日本語Knowledge Base
  • SudoRange
  • AI Agent技術

を組み合わせ、段階的に機能を構築することができます。

仕様書でも、第一段階を、

質問する → CyBOKから調べる → 日本語で説明する → 出典を示す → 次の学習を提案する

というシンプルなAI Tutorから始める構想としています。

ここで重要なのは、現時点で完成した専用AIサービスが提供されているという意味ではないことです。

Cyber Hiroshimaは、この方向に向けて段階的な検証と環境構築を進めます。

AIがLearning Pathを支援する

例えば学習者が、

「Webセキュリティを勉強したい」

と質問したとします。

AIが単にWeb Securityの説明をするだけではなく、

現在の知識レベルを確認し、

Web & Mobile Security
→ Software Security
→ Authentication
→ Network Security

といった関連分野を示すことができれば、CyBOKという広い地図の中からLearning Pathを作りやすくなります。

さらに、

「次にどのSudoRange演習を試すか」

までつながれば、

Knowledge → AI Guidance → Practice

という流れを作ることができます。

将来的には演習後に、

「どこでつまずいたか」

を基に復習テーマを提示することも考えられます。

AI Agentによって役割を分ける

一つのAIにすべてを担当させる必要もありません。

Cyber Hiroshimaでは、将来的な構成として、

  • CyBOK Agent
  • Learning Path Agent
  • SudoRange Navigator
  • Quiz Agent
  • Cyber News Agent

のように役割を分けることを検討しています。

仕様書ではRobutler / WebAgentsのSkills、Tools、Memory、Handoffsなどを組み合わせ、専門エージェントを連携させる構成も検討対象としています。

重要なのは特定のプラットフォームそのものではなく、

必要な知識や機能を役割ごとに分け、それらを学習者の目的に応じて連携させる

という考え方です。

AIに任せてはいけないこともある

サイバーセキュリティ分野でAIを使う場合、AIの回答を常に正しいと考えることはできません。

生成AIは、

  • 誤った情報を生成する
  • 古い情報を参照する
  • 文脈を誤解する
  • 確信しているように間違った説明をする

可能性があります。

そのためCyber Hiroshimaでは、AIの回答だけで学習を完結させるのではなく、

出典へ戻れること

を重要にします。

またAIによる学習支援は、実際のセキュリティ判断、法的判断、インシデント対応などで専門家や公式一次資料の代わりになるものではありません。

AIと一緒に「考える」学習へ

AIによって、分からない用語をすぐ質問できる時代になりました。

しかしCyber Hiroshimaが目指すのは、

AIが代わりに問題を解いてくれる環境

ではありません。

目指すのは、

AIと対話しながら、自分で考えられるようになる環境

です。

CyBOKで体系を理解する。

SudoRangeで実際に試す。

分からないことをAIへ質問する。

出典へ戻って確認する。

そしてCyber Challengeで自分の力を試す。

AIはこのLearning Loopの中で、学習者が次の一歩を見つけるための支援役になります。

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